タイトルなし             S17 10月18日 於 隆林

    隆林は広西チワン族自治区百色市に位置する自治県と

    あります。 

    ミャオ族、イ族、コーラオ族などが居住するところのようです。

    

    しかしながら、この絵の女性がどの民族なのかは わからなかったのですが、

    このカゴ、頭から下げているところをみると、

    そんなに重いものは入れられないだろう、と思い、

    お茶 を摘むカゴではないか と推測しました。

   

    雲南のあたりは お茶の産地だからです。

    調べてみると、見渡す限り 山々のはるか向こうのほうまで

    続く茶畑が広がっています。

    

    現在も お茶の生産は 少数民族にとって

    重要な産業のようです。

 

    紅茶もアッサム地方で生産されるまでは 中国から

    英国に輸出されていた歴史があります。

   

 

 


タイトルなし

   この絵もタイトルがないので どこでどの民族を描いたものか不明です。

   

   しかしながら 笠を持っているところや衣装の雰囲気からして

   ヤオ族、トン族の衣装が近いように思いました。

   

   少数民族の絵は 

   どれも比較的、丁寧に描かれ彩色されているように

   思います。

   ミヤザキの絵心を誘うモデルだったに違いありません。

 

 


ラエター(馬車)                   於 メイミョウ

 

  この絵は 祖母の家に私の小さい頃から飾られていた絵の

  一枚なので 大変懐かしい気持ちになります。

 

  幼心にも、絵の上手さが伝わってきて、特に御者の鞭のしなり方が

  印象的だったことを 覚えています。

 

  しかしながら、描かれているのがどこの何なのか 

  このサイトを作るにあたって 調べてわかったのでした。

 

  メイミョウというのは ビルマ、今のミャンマー北部にある マンダレー地方

  という高地の都市です。

  標高が1100メートルと比較的涼しく、イギリス植民地時代に 避暑地として開発され

  英国風の町並みが残っている、ということです。

 

  調べると、メイミョウの旅は 今も人気で

  旅の魅力を紹介する記事が 検索できます。

  中でも、馬車についての 旅の記事が私の目を惹きました。

 

  この絵に描かれているような お洒落な馬車が 今も観光用に

  走っているのです。

 

  避暑地らしい町並みや、大きな公園などもあって

  ミャンマーのイメージとまた違う雰囲気のあるところです。

 

  しかしながら、ここも のちのビルマ戦線の要衝の地となっていきます。

 

  ラエターという発音は どれくらい近いかわかりませんが、

  Google翻訳の表記は 以下のようでした。

    ရထား

rahtarr

   ※ビルマ語に詳しい方によると、騾馬車を ラーヤターというそうです

 

 


シクロの図                   於 サイゴン

  サイゴン、今のホーチミン市ですが 表記は原文のままにさせて

  いただいています。

 

  日付がないので いつのものなのかわからないのですが、

  ラングーンから 雲南に行って、また戻ってきているようなので

  行きがけなのか、帰るときのS18年ころなのかは 不明です。

  

  ただ、Episode の級友の方の文章によると、ラングーンの前にサイゴンに

  上陸しているようなので 行きがけなのかも知れません。

 

  西洋人らしい女性がシクロに乗っている図ですが、

  この一連の絵の中では 西洋人が登場するのは珍しいです。

  

  しかしながら、大叔父の絵はまだあったので

  その中には 登場しているかも知れません。

  

  大叔父の絵は こういう戦地を感じさせない

  明るい感じの絵のほうが多かったように

  記憶しています。

  

 


金色燦然                    於 ラングーン

 

  この絵も 祖母の家にあった見慣れた一枚なのですが、

  今回調べてみて、タイトルが 金色燦然 とあり、

    (ハガキが貼られていた黒いラシャ紙に書かれている)

  この寺院の屋根が 金色だったことがわかります。

 

  そこで、調べてみてわかったのは、ラングーン(ヤンゴン)の中心地にある

  スーレーパゴダ という寺院だと思います。

 

  植民地時代のコロニアルな雰囲気の地域にあり

  人気の観光スポット

  八角形の珍しい形をしていて、

  釈迦の聖髪がおさめられているパゴダだそうです。

 

 

  金色燦然、ラングーン で検索してみると、

  1977年に 当時の福田内閣総理大臣が ラングーンでスピーチしたときの

  文章に 「ラングーンに到着して緑深い森の中に 金色燦然たる

  パゴダが見え隠れする美しいたたずまい…… 」  とありました。

 

  現在は すっかり都会化しているようですが、

  19世紀のラングーンの写真に行き当たり、その光景が

  ミヤザキの描いた 緑の中のパゴダの雰囲気に近かったです。